「まっくら 天の川キャンプ」最高の空のもとでの2日間

深夜に見えた、おうし座の星団・すばると、Λ形のつりがね星(おうし座の牛の顔)
深夜に見えた、おうし座の星団・すばると、Λ形のつりがね星(おうし座の牛の顔)

 

10月末に開催した3年ぶりの「熊野・まっくら 天の川キャンプ」は、

これまでにない晴天に恵まれて、最高の空のもと2日間が終了しました。

 

ツアーの初日、協会のなんじゃもんじゃ公園に到着したら、
まずはお弁当を食べてほっこり。ちょっとのんびりして、

テントを立て、トイレを作り、薪を集めて焚き火を始めたら、

秋の夕空にはもう四日月が輝き始めていました。

 

今年は感染対策で各自で食事を準備することになりましたが、
みんなそれぞれにバラエティに富んだ美味しそうなメニュー。

レトルトを工夫して組合わせた料理から、ダッチオーブンを使った参鶏湯まであり、

お互いにそれぞれの工夫に感心しながら、

遠巻きに焚き火を囲んでの楽しい食事となりました。

 

暗くなってきたころ、高台で望遠鏡を組み立てて、まずは月のクレーター観察。

山の端に沈む月の意外な早さに、これが地球の回るスピードなのかと感心しました。

月が沈むとぐっと空が暗くなり、夏の星々と天の川がしっかり見え始めます。

空いっぱいの星に、本当は空にこんなに星があったんだ、と、

いつも見ている夜空とのあまりの違いに驚きです。

寝転んで空を眺めたり、望遠鏡を覗いたりしながら、

土星とその環、木星とその月たち、そしてアンドロメダ銀河も楽しみました。

 

 

翌日は朝食を済ませて宝龍の森へ。

まずは秋の朝のしっとりした宝龍滝を、滝壺まで行って見上げました。

 

次に川沿いのスギの木の間伐を間近で見て、その倒れてくる木の迫力と、

木こりの技に感心しながら、木を育て、活かすための最適な考え方を教わりました。

切り方ひとつで木の価値はずいぶん変わってくる。

林業家はそれを見極めて、ほんとうに無駄なく木を切っていくことを知りました。

 

さらに周りの木々を傷めないように10年という時間をかけて間伐する

「巻枯らし」という方法も実際に見学。

樹皮を剥がされた、秋から冬の休眠に入りつつある木の内側に直に触れて、

そのぬくもりや湿り気、香りも存分に味わいました。

 

午後からは、以前に間伐した材で作った
ロケットストーブとスウェーデントーチの燃え方比べをしながら、

差し入れてもらった熊野の子持ち鮎を焚き火で塩焼きにして堪能し、

ほかの地域にない特別な香りをもつ宝龍の森のクロモジ&ニッケイ茶を味わう。

ほのかに爽やなクロモジの香りがして、

ニッキのスパイスが後から効いてくる、始めて体験する味でした。

 

ほんとうに豊かな熊野の森。
自然の循環の中にありながら、私たちをいろんな面で支えることのできる森の木々。

500年以上も昔から培われてきた林業の知恵が、
もう一度、もっともっと活かされて欲しいと思います。
  

 

秋どまんなかのキャンプは初めてでしたが、

ほんとうによい天気に恵まれて、最高に贅沢な2日間でした。

来年は、夏がよいか? 秋がよいか?

どちらもそれぞれにすばらしい熊野の森。

ぜひまたご一緒ください!